そもそも理念が形になっているかどうか、という段階です。
創業者が率いてきた企業などでは、無形の精神が浸透していて、敢えて理念が文字になっていないというケースがあります。また理念どころではなく、資金繰りで必死に生き延びてきたという場合もあるでしょう。
しかし組織が大きくなり、創業の頃を知らない社員も増えてくれば、ベクトルを合わせるために理念を明確化することが必要です。
このとき大切なのは、「理屈」の上で綺麗で筋の通った理念を作り出すことではなく、「現場」の中で支えになってきた想い、体験を「発見」して言葉にする、という視点で明確にすることです。力のある理念は、力のある体験に根ざしています。
理念の意味を理解するという段階です。
例えば「感謝」という理念を作った場合、その言葉の意味は人によって受け止め方が違います。
「お客様に感謝される企業を目指そうということだな」
「お客様に感謝しようということだ」
「社員同士、人間全体に感謝ということではないか」
「支えてくれる全ての方に感謝だ」
「生きていることに感謝しよう」
このように、様々な受け止め方があるでしょう。
意図的に幅を持たせる場合もあるかもしれませんが、大切な価値観は、公式見解として統一しておくことが必要です。
「感動」「喜び」「笑顔」「誠実」など、理念になる言葉には抽象的な言葉が多いものです。従って、解釈で行き違いが起こらないよう、しっかりと意味を統一して教育する必要があります。
私たちが社員に理念についてインタビューをすると、このような声を聞くことがあります。
「うちの理念ですか? お客様に喜んでいただこう、ということです。分かりやすいですし、みんな知っていると思いますね」
そしてポツリと呟くのです。
「でも、きれいごとですよ。全然その通りの会社じゃないですね」
理由は様々に挙げられます。業績でそれどころではない、上司がそもそも理念を信じていない、そんなことを真正面から語るのは青臭い…。
多くの企業様が、この「共感」を得るという段階で足踏みをされることが多いようです。
共感を得る一つの方法は、それを社員に体感させてしまうことなのです。
理念に共感した社員は、それを行動に移そうとします。
しかし具体的にどうすればいいのか、分からないという場合があります。理念が深く浸透するまでは、最初の行動をリードしていくとよい結果を生みます。
人の気持ちは揺らぎやすいものです。
理念を確認し、腑に落とし、行動することを習慣にするために、特にマネージャーの力量が必要となります。また、有名なザ・リッツカールトン・ホテルの「ラインナップ」というミーティングの仕方などは、習慣を保つための優れた仕組みの例だと言えるでしょう。
場合によっては、ここまでのサイクルを回すことにより、理念が更に深まり、進化していくことがあるかもしれません。理念は変わらないことが好ましいと考えられていますが、時代と共に表現の仕方や、行動規範などについては改訂を加えることが必要な場合もあるといえるでしょう。
さて、ここまで多くの会社に共通する理念浸透のプロセスについてご紹介しました。
しかし、「では、うちの会社はどうしたらいいんだ!」と声をあげる方がいらっしゃるかもしれません。
そうです。
冒頭にご紹介したとおり、

御社に合った、その方法を見出していきませんか?