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ITGネットワーク事業ですが、既に各加盟企業から成功事例が報告されているようですね。今回のインタビューでは、新しく立ち上げられたITGネットワークにこめた想いと、御社が成長を続ける要因について詳しくお伺いしたいと思います。まず、ITGネットワークがどのような事業であるのかを教えていただけますか。

ありがとうございます。ITGネットワークとは、全国の地域ゼネコンがネットワークで結びつき、各エリアの土地を始めとした情報を組織的に共有することで、お客様により良いサービスの提供を可能にしたものです。

具体的には、鮮度の高い土地情報、テナント情報を加盟企業が発信し合うことで、土地とテナントのマッチングの機会を増やします。地域ゼネコンでも「地元エリアでのマッチングは行ってきた」と言われる社長さんもおられるでしょう。しかし、これが地元から離れたエリアのテナント企業が出店したいとなったらどうでしょうか。

例えば、私どもシーン・メイキングのある浜松および静岡県を中心としたエリアに関しては、シーン・メイキングが潤沢な情報を持っています。しかし、関西や関東、ましてや沖縄となれば、有益な情報をスピーディーに、かつ、十分に得る術はありませんでした。ビジネスチャンスが目の前にあるのに、出店のパートナーに選ばれるのは、いつも大手ゼネコンでした。


中でも、全国に出店をするテナント企業の中で、ダントツの成功を収めている民間企業はD社です。全国展開を考えているなら、全国ネットの土地活用営業ができる大手ゼネコンの方が効率が良い。当然の理由でしょう。とは言え、我々地域ゼネコンは何十年と地元に根ざし、培ってきた顔があります。大手の転勤族とは比べ物にならないほど地域に密着している。そこで、各地方で信頼を築いてきた地域ゼネコンが全国から集まって有機的に結びつくこと、つまり、ネットワーク化を考えたのです。

誤解しないでいただきたいのは、ITGネットワークは弱者救済の仕組みではないということ、力のある企業が、さらに将来的な地固めをするためのシステムなのです。ITGネットワークは、我々地域ゼネコンが生き抜くための手段であり、武器なのです。


TGネットワーク事業について詳しく知りたい方はこちらへ→


これまで建設業界においてはこのような仕組みはなかったですよね。かなり先進的な内容だと思います。ところで、御社がITGネットワーク事業を立ち上げたとき、売上50億、利益4億という状況で、通常の会社であれば十分満足できるような業績を挙げていたわけですが…そのような中で、まったく新しい事業を始めるというのはどのような心境だったのでしょうか?

「今現在、きちんと業績を挙げているなら、リスクを背負ってまで新しいことを始める必要はないのではないか?」…ITGネットワークプロジェクトの検討に着手した時、社員の中にはそう述べる者もいました。これはこれでもっともな意見だと思います。

確かに私どもはありがたいことに、建設業界で独自性のある企画提案型の営業を軸に、「地域の中では別格だ」と評価されるまでになっていました。しかし、今の体制のまま10年先まで上手くやっていけるかと問われたら、私にはまったく自信がありません。

世間では会社の寿命は30年などと言われています。同じビジネスモデルを30年もやっているとどうしても劣化してきます。長年、建設業界としては先進的な企画営業を軸にやってきました。しかし、そろそろもう一つ階段を上がるべき時期に来ていると考えています。

他の業界では常にモデルチェンジを行っています。さらに、インターネットの世界では、そのスピードはどんどん加速しています。安定した企業体制を維持するためには、常に高感度のアンテナを張り巡らせて、新しい情報を入手し、それをスピーディーに具現化する力を持っていないといけません。

ITGネットワーク事業を始める少し前に、浜松の大手ゼネコンが私どもに企画営業のやり方を教えてくれと言ってきました。同じように、今あちこちの大手が企画営業をやろうとしています。彼らが2、3年真剣に力を入れてやれば、歴史と財力があるから当社より良くなる可能性があります。そう簡単にできるとは思いませんが、最悪のことを考えると怖いものです。「怖い」というのは、大変な動機付けになります。彼らが当社の真似をしている間に、こちらは何としても次の手を打たなければなりません。このような状況の中、今の体制のまま10年後も上手くやっていけるかと問われたら、私にはまったく自信がありませんでした。

今、順調にいっていたとしても、将来に対して危機感を持つことが大事なのですね。「過去の成功に固執しない」…頭では分かっていてもなかなかできることではないと思います。御社の歴史の中で、これまでにもそのような経験があったのでしょうか。

私がシーン・メイキングを創業したのは27歳の時。「本気になれる仕事をしたい」、「男盛りの今を無駄にしたくない」…そんな思いだけで、電話一本引いて地元のゼネコンから独立しました。独立といえば聞こえは良いですが、経験は浅いし、資金もコネもない、あるのは情熱だけ、という状況でした。ですから、地元のお客様や公共事業は、最初から営業対象にしませんでした。それはおじいさんの代からやっている地域ゼネコンの間に割って入っても、相手にされないだろうことが分かっていたからです。だったら彼らがやらないことをやろう。そう考えて、民間の企画営業一本で勝負することになりました。しかしながら創業当初は、「企画営業で商売が成り立つわけがない」とよく言われたものです。実際、全国を見回しても民間の企画営業で食べていこうなどという会社は皆無でした…。

他社は経験やコネがある中で、まったく一から始めたということですか…。たくさんの苦労があったのでしょうね。

民間の仕事はとにかく時間が掛かるものです。しかも、企画自体は無報酬。1年後、2年後にゴーサインが出た際に、「こんなに汗をかいたのだから建物はやらせてください」とお願いするのですが、情報企画だけ提供させて施工は付き合いのある建設会社に、という手厳しい会社もありました。しかし、私はこういう経験を積む中で、民間の経営者が何を望んでいるかを肌で感じていました。

お客様にとって建物はあくまでも商売を営むために必要な舞台であり、決して目的ではありません。お客様が求めているのは、いかにその舞台で利益を挙げられるか、という結果なのです。そこで重要になってくるのが企画、すなわち事業計画の部分でいかに有益な情報を提供できるかということです。介護施設などの場合では、どのような資格を持った人を何人雇うのかという人的計画までお手伝いしました。そうやって徐々にですが信頼を得ることに成功しました。外部からは、易々と当社が受注したように見えるだろう案件も、実際には2年も3年も前から水鳥のように水面下で一生懸命水かきをしている。その評価が受注に結びつくわけです。

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