私は、「会社は技術と、それを支える価値観が大切だ」と考えています。技術はもちろん大切ですが、その根っこには共通の価値観や考え方があるべきだと思っています。
そこで、「想いを同じにする組織」をつくることを狙いとして、幾つかのプロジェクトを立ち上げ、プロジェクト活動を通して「同志」を増やしていこうと考えました。
どのようなプロジェクトなのですか?

まず2005年12月に「リクルーティングプロジェクト」を、その後2006年6月に「人事制度改定プロジェクト」を立ち上げました。
いずれも5~6人から構成されるプロジェクトです。プロジェクトミーティングには毎回私も参加し、議論を通してお互いの考え方を理解し、共有していきました。
また、リクルーティングにしても人事制度改定にしても、「会社を理解する」ことなしに進められないテーマですし、それが会社に対するメンバーの関心や愛着につながるだろう、という期待もありました。
愛着を感じる相手に対して、人間は「何とかしよう」「頑張ろう」という気持ちを自然に抱くじゃないですか。ですから、会社に対する関心や愛着が強まれば、プロジェクトのみならず日常の仕事に対する主体性の発揮にもつながるだろうと考えました。
プロジェクト活動の成果は?
それぞれのプロジェクトが担っている「採用」や「人事制度改定」については、プロジェクトメンバーの努力や周囲の協力もあり、順調に進んだと感じています。採用活動などは、従来のものとは一味も二味も違うものになっており、天竜精機という会社がもっている本来の良さを学生の皆さんに伝えることに大いに貢献していると思います。
それに、「天竜精機にはこんな素晴らしいチャンスがある!」と学生の皆さんにメンバーが言い切ってしまうので、メンバーには「それを実践しなければ」というほどよいプレッシャーがかかっているようです(笑)。
加えて、「想いを同じにする」という意味でも大いに意義がありました。
と言いますと?
実は、2007年1月に「こんな会社にしたい!」という私の想いをまとめた「ビジョンブック」を制作しました。これは、ダイエーの現取締役副会長でいらっしゃる林文子氏がスタッフ5万人との対話などをベースに、「みんなとこんな会社にしていきたい!」という想いを「ミッションブック」にまとめたということを、たまたまある方のブログを通して知ったのがきっかけですが、「これだ!」と2006年9月頃に思い立ち、制作に至りました。
「どんな仕事もお客さまの満足につながっている」
「張り合うより認め合おう」
「できない理由ではなく、どうしたらできるかを考える」
など、「大切にしたい考え方」を読みやすくまとめたものです。
社員と一緒に制作するという方法も考えましたが、まずはいったん自分でまとめてみました。最初は、単に「つくっただけ」という感覚もありましたが、プロジェクトメンバーを中心に、少しずつ浸透が進んでいるように感じています。
プロジェクト活動を通して考え方の共有が進んだからだと思うのですが、お互いの会話の端々にビジョンブックに記した考え方が表れてきています。この「会話に表れる」ということが重要だと思っています。