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社長は元々、サントリーにいらしたのですよね。

ええ。大学を卒業してサントリーに入社しました。最初は営業をやっていましたが、海外レストランビジネスの展開、という社内公募に手を挙げてスペインで7年弱、お店の立ち上げから経験させてもらいました。サントリーと言うと飲料メーカー、という印象が強いと思いますが、私はその中でずっと外食畑を歩んできました。その後、1992年にサブウェイ国内1号店がオープンしましたが、それから6年後の1998年に私はサブウェイに入社、そして2003年に社長に就任させて頂きました。

社長が就任されたとき、会社はどのような局面を迎えていたのでしょうか?

ちょうど私が就任した頃は、拡大展開に向けて壁に突き当たっていました。丁度、加盟店の募集をストップした頃で、閉店業務にもよく出向いていました。元々、「サブウェイ」というブランドは知名度があったので、一時期は店舗数が150店舗までいきましたが、約90店舗まで落ち込んだ時期もあったのです。

そこで取り組んできたのは、日本で店舗を拡大していくための業態パッケージづくりです。そのためにさまざまな取り組みをしてきました。アメリカから仕入れたパンを日本人の口に合うように変えたり、従来の店舗サイズを見直したり…と。こうして、よりお客様に喜んで頂けるものが見えてきましたので、店舗数も順調に増えてきました。今後はこの動きを速めていきたいと思います。

今後、更に成長スピードを速める上で重視されていることは何でしょうか?社内で取り組まれていることはありますか?

そうですね。一番大事なのは、サブウェイに対するこだわりを社員に浸透させることだと考えています。

と言いますと?

実は、去年1年間掛けて取り組んだことがあります。それは「インナーブランディング」です。インナーブランディングというのは、お客様に対する外向きの啓蒙活動ではなく、社内でサブウェイというブランドの価値観を共有しようとするものです。いくら外向けに「サブウェイは良いですよ」とアピールしたところで、最終的にお客様と接する社員やアルバイトが本当にサブウェイのことを好きでなければ、伝わるものも伝わりません。実際にお客様に価値を伝えているのは、現場で働いているお客様に一番近い社員やアルバイトであるわけです。そこで、まず社員一人ひとりがサブウェイの商品に愛着を持って「絶対にお客様に届けたい!」と熱い気持ちを持つことが大事だと考えたのです。

なるほど。そうしたお考えは以前から強くお持ちだったのですか?

実は、この「インナーブランディング」の重要性に気付いた大きなきっかけがありました。それは、2年前に行った社員の意識調査です。外部の機関を活用して「自社の風土上の問題点は何か?」を洗い出したのですが、その分析結果を見ていく内に、「社長である自分が会社を引っ張っていくのは良いが、やみくもに引っ張ってきた結果、裸の王様になってしまっているのではないか」と危機感を抱いたのです。トップがリーダーシップを発揮するのも良いのですが、社員の考える余地がなくなってしまうのは危険です。私は20代、30代の新しい発想を持った社員を育てていきたいと考えていました。

ちょうど、外向けの販促活動やブランディングの効果性に一定の限界を感じていたときでもありました。コストを掛けて交通広告を行っても、店舗数がそれほど多いわけではないので、インパクトのあるものになっていませんでした。であれば、その分を価値観の共有、そして、浸透に投資しようと考えたわけです。

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