やはり「社員の意思統一」ですね。会社の規模が大きくなると、それぞれの現場で何が起こっているのかが見えづらくなります。特に「マネージャークラスがどのような判断基準に基づいて考え、行動しているのか」ということについて、問題意識を持っています。「どの山に登るのか」「どこが頂上なのか」は経営のトップが示さなければならないと思っていますが、登り方はできるだけメンバーに任せ、いろいろあっていいのではないかと思っています。しかし、それにはビービーメディアのスタンダード(規律)が必要になるということです。
御社の中で大事な「判断基準」というのは一体どのようなものなのでしょうか?
実は数年前から標榜しているのですが「クリエイティブサービス業である」ということです。広告制作というのはクリエイティブな仕事です。しかし、「クリエイティブ業」であることに満足してはいけません。単純に「ものづくり」が好きなだけではいけないのです。私たちは「サービス業」でなければならないと思っています。つまり、「お客様の目線・期待に意識を向ける」ことを何よりも大切に考えているのです。
社内においてもサービスに対するこだわりのレベルには温度差があります。例えば、ある部門では、クライアントとミーティングをする際にお茶菓子を出すのは当たり前、しかも、そのお客様の好きなものまで把握してお出ししています。しかし、かたやある部門では、クライアントにお茶菓子を出すことがあったりなかったり…というレベルの差があるのです。
例えば、クライアントから当社のスタッフに指名が入ったとします。でも会社の都合からすると、そのスタッフはいろいろなプロジェクトに関わり多忙なので出したくない…そのような状況があったとします。この場合どう判断するか?
どう判断されるのですか?
当社では、できる限りそのスタッフを出すようにしています。なぜならそれがサービス業としてのあるべき姿であると思うからです。しかし、以前はそういった判断基準が伝わっておらず、お断りを入れてしまうことがありました。
こんなこともありました。一つのプロジェクトに対してダブルプロデューサー体制を組んだ時のことです。プロデューサーにも得手・不得手がありますから、お互いに補完し合う意味でそうしたのです。しかし、「何で一つのプロジェクトに2人もプロデューサーを付けているのか、効率が悪いではないか」という声が挙がりました。確かにその通りですが、かえって効率が上がることもあるのです。「効率」はとても重要なテーマですが、結果としてクライアントの不満足につながっていくのならば何の価値も生みません。

判断基準の違いによって、このような違いが表れてしまうため、私は「クリエイティブサービス業」と謳い始めました。「サービス業である」ということを強調したかったのです。しかし、現場への浸透は今後も引き続き徹底していきたいと考えています。
トップの計り知れないところで、思いがけない判断がなされている…組織の規模が大きくなると出てくる課題ですね。
当社のサービスは、基本的に全てオーダーメイドです。一つとして同じ現場はありません。だからこそ、社員一人ひとりがしっかりと自分の頭で考えて行動することが必要です。「お客様の期待を作り、それに応える」という考え方をさらに共有し、浸透させていくということが今後の私の役割だと思っています。
本日はありがとうございました。