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第7号 「理念に立ち返る」

「想いを共有するには?」
「主体的な行動を引き出すためには?」
「理念を浸透させるためには?」

あるホテル支配人の物語を通じて、これらの問いの答えを一緒に探してみませんか?


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「違う、そうじゃない!!」

ロビーに支配人の声が響き渡ります。

ここはオープンを間近に控えた高級ホテル。
支配人のジョンソン氏は、社員を一人前に育て上げようと、つきっきりの指導をしています。
系列のホテルで「今年、一番お客様を笑顔にしたサービススタッフ」という
輝かしい賞に選ばれたジョンソン氏は、若手がなら期待の星として、
新規にオープンするホテルの支配人を任されたばかりです。

(現場のことなら、私が最もよく分かっている。皆は言うとおりにすればいいんだ)

そんな内心の焦りを感じながら、社員を『指導』しています。


「しかし、支配人。お客様からのお問い合わせには、コンシェルジュが対応する決まりと伺いましたが。
 私たちがいちいち対応していては、チェックイン業務が止まってしまいます。

「だが、臨機応変にしなければならないだろう!」

今はロールプレイングの最中。

年配の女性宿泊者役のスタッフが、フロントにものを尋ねたところ
「コンシェルジュにお尋ねください」と冷たくつき返されたのを見て、
ジョンソン氏は思わず、声を荒げたのです。

「見てみろ!あの方は高齢で足が不自由なんだ。
 杖をついているのに、それに気付かないのか。君の目はいったい、どこについている。
 おまけにコンシェルジュはもう3人も待たせておいて、お客様は皆、いらいらしてる。
 そういう状況を見て、自分の頭で考えろと言っているんだ!」

「そう仰られても、さっきと指示が違いますわ。
 不規則なケースが出てくるなら、きちんと場合分けしてマニュアルにして下さらないと、対応が出来ません。
 悪いのは私たちじゃありません。私たちはきちんと言われたことをこなしています」

ジョンソン氏は怒りと無力感で、思わず天井を見上げてしまいます。
(ああ、なんでそう他人任せなんだ。 全員が私のようにものを考え、行動できたら・・・!)


(つづく)


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